病気や障害で人生をぶち壊さない方法


病気や障害を持つ人は、健常者と比べて遥かに苦労が多いですよね。たとえある部分では才能に恵まれ、高い能力を持っていたとしてもです。
この社会は平均的な人に合わせて作られているので、平均的でない人にはとても過ごしにくく出来ています。
ゲームで例えるならば、ハードモードでプレイしなければなりませんからね。

最近は少し事情が異なるかもしれませんが、医師というのは基本的に患者を治そうとします。そして健常者に少しでも近づけようとしますね。まあそれが仕事ですから。
更に言うなら、医師にとっては患者を普通のサラリーマンとして働けるようにすることがゴールなのですよ。本人のやりたいことや生きがい、或いは尊厳に関しては、医師は管轄外ですからね。

治療やリハビリをすることは確かに大切です。ですが時々そこで大きな間違いをしがちなのです。
例えば脚が悪い人が人生の全てをかけて死ぬほど努力をして、ゆっくりならば歩けるようになった。
或いはパニック障害の人が、人生をかけて死ぬほど努力して飛行機や新幹線にかなり乗れるようになった。
どちらも本人にとってみれば壮絶な努力の結果であり、涙が出るほど嬉しい結果でしょう。

ですがどちらも、社会的に見れば単に「普通の人にだいぶ近づいた」だけなのです。
だって歩くことも飛行機に乗ることも、子供でも誰でも、いえ、ペットの猫でさえ普通にできることですからね。

つまり言い方は悪いかもしれませんが、これらは”マイナスだった部分が0に近づいた”だけですね。
はっきり言って一般人は誰も心から凄いと尊敬することはありませんし、成功者にもなれません。
もちろんそれに価値がないわけではありません。ですが私個人的には、マインドセットを変えることでもう一つの”解”が有ることを示したいと考えます。

治療やリハビリ自体はもちろん、やるべきです。
ですがそれに全時間とエネルギーを使うのではなく、程々のところで他のことにエネルギーを使ってみてください。
完全な0を目指すという選択を有る意味で捨てるのです。

以下の図のように、大体のケースでは0に近づくほどそこから先のコスパが悪くなります。
これは対数グラフなのです。



図1: かける時間や努力の量と、得られる結果の関係。50%を超えたあたりから努力の割に結果が出なくなってくる。


つまりマイナスを0にするための努力ではなく、

他のことを0から100にする努力に途中で転換

するわけです。

”他のこと”の内容は何でも良いです。正解などありません。
それだけのガッツが有れば、何をやってもトップレベルになれるでしょう。
たとえマイナスの部分を持っていても、他の部分がぶっちぎってプラスならば、プラスマイナスして総合力で普通の人を大きく上回れるのですよ。そうすれば社会的に大成功したり、たくさんの人々から尊敬される可能性が高くなるでしょう。
そうなれば自分自身の幸福度も上がりますし、逆にネガの部分なんて自分も皆もきっと忘れているはずです。

特に現代はIT技術のおかげで、病気や障害を持つ人が能力を発揮する場が昔よりも比較にならないほど増えています。
だから今を生きているあなたは、”ついている”のです。


もちろん、今回書いた解の方が正解だと言っているわけではありません。ただ一つの選択肢として存在している、ということです。
どれを自分の解とするか決めるのはあなたです。医師ではありません。

最後に若くしてALS(筋萎縮性側索硬化症)を患い、”車椅子の天才”と呼ばれていた物理学者、スティーブン・ホーキング博士の言葉を載せておきましょう。

”人生とは、出来ないことを悲観することではなく、出来ることに集中することである。”


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