本当のメンタルコントロール法


さて、今回は本当に効果があるメンタルコントロールの方法について書いてみましょう。

因みに皆さんは上手に自分の感情をコントロールできていますか?
殆どの人にとってこれは難しいことだと思います。もちろん、私にとってもです。
そもそも「メンタルコントロールをするべきかどうか」という議論があると思いますが、今回はそれは取り敢えず置いておきましょう。あくまでメンタルコントロールをしたい時に上手にする方法についてのお話です。

まず根本的に、人間の

“意志”と“感情”は全く別物である

ことを理解する必要があります。(因みに私は人間の意志は脳の中には無いと考えています)
と、簡単に書きましたが、実はこれはかなり深いテーマでもあるのですが、今回はライフハックとしてその方法だけを書いておきましょう。

意志が自分の行動などを“決める心”であるとするなら、感情は脳という”臓器”自分の意志とは無関係に勝手に生み出す現象です。
そう、まるで走ると勝手に心臓がドキドキしたり緊張すると汗が出たりするのと全く同様に、脳は意志とは無関係に勝手に感情を作ってしまう臓器なのですよ。

例えばいくら「悲しみたくない」と強く思っていても、大切な人が死んだら悲しくなりますよね? 「泣きたくない」と強く思っていても勝手に泣いてしまうことだって有るでしょう。
逆に「笑ってはいけない」と思っていても、面白いという感情が抑えられずに笑ってしまうこともあるし、「こんな事で怒ってはいけない」と強く思っていても勝手に怒りの感情が湧いてきて怒ってしまうことだって有るはずです。
或いは中年男性が可愛い女子高生の太ももを見て、「こんな子どもに興奮してはいけない」と思っていても意に反して興奮してしまうことだって有るでしょう(笑)。
その他にも自分では湧かせたくないと思っていても、嫉妬や他人の失敗や不幸を喜んでしまう感情が湧いてくることだって有るかもしれません。

つまり感情というのは実はその人の心とは異なるものであり、心臓や肝臓など他の臓器の動作と同じ様に、人体のハードウェアが生み出す機能なのです。
例えば動物に心があるかどうかは分かりませんが、明らかに感情はありますよね?
(少なくとも犬を飼っていた私にはそう見えます(笑))

よって究極的には、感情が湧くこと自体は体質やDNAで決まる物であり、運動後に脈拍が上がるのと同様にその人の責任ではない、とも言えるはずです。(もちろん、感情の反応は経験にも大きく依存します。認知行動療法などの心理療法はこれらを変える物です)

つまり原理的に責任があるのは、その人の“感情に基づいた言動”だけなのですよ。これは自分の意志で行う物ですからコントロール可能であり、逆に本人しかコントロール出来ません。
ええ、分かっています。さりとて、人間の意志は感情の影響を大きく受ける物ですよね。
皆さんの周りにも、感情だけで生きているように見える人がきっと居るはずです(笑)。


では理屈はこの辺にして、実践編に入りましょう。
上記をふまえた上で効果の高いメンタルコントロールの方法とは、走ったあとに心臓がドキドキしている時に「ああ、走ったから心臓がドキドキしているなあ」と冷静に分析するのと同じ要領で、例えば怒りの感情が湧いてきた時に、「ああ、俺の脳が怒りの感情を作っているなあ」と意志と感情を分離して感情を客観的に見ることです。
例えば「怒っているのは私ではなく、私の脳なのだ」と念仏のように唱えれば、怒りの感情が湧いたとしても望まない言動を避けることが出来るでしょう。

悲しみの感情は特に無理して抑える必要はないかもしれませんが、辛くて耐えられない時には同様に意志と感情を分離して客観的に悲しみの感情を見てみると良いでしょう。

これらは最初は難しいですが、訓練によって上手に出来るようになると思いますし、極めて科学的な方法なので(怪しい手法と比べて)多くの人に受け入れやすいはずです。

これらが上手に出来るようになると、いわば新しい人類である“人類2.0”に少し近づいたと言えるでしょう。


さて、最後にもう一度大切なことを書いておきましょう。
可能か不可能か以前にその感情を抑えるべきかどうかは別の話なので、全てのネガティブな感情に対してメンタルコントロールを使うべきかどうかはまた別の議論になります。そのことはくれぐれも忘れずに覚えておいてくださいね。
私個人的には、時に思いっきり悲しんで泣いたり、下らないことで怒ったりする方が人間らしくて楽しい気がします。

この先に更に究極的なメンタルコントロール法もあるのですが、それはもう“悟り”だとかそれに近い話になってくるので、メインテーマの進行と共にまた書いていきますね。


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