安倍元首相への弔電


皆さんご存じの通り、先日、安倍元首相が選挙演説中に銃撃され亡くなりました。
今回は私から安倍元首相への弔電代わりに、安倍元首相が最も強く繰り返し言っていた“戦後レジームからの脱却”について書いてみようと思います。
安部氏に対する好き嫌いや政策の是非については、取り敢えず今回は置いておきましょう。
また本記事は急いで書いたので、乱文ご了解を。


安部氏は何度も繰り返し“戦後レジームからの脱却”と言っていましたが、その言葉の意味がわかった人はどれくらい居るでしょうか?
まあ総理大臣ともなると言葉を選ばなければならないので仕方がありませんが、何となく抽象的で漠然とした表現に聞こえますかね。
なので安倍元首相に代わって、私の解釈を書いて行きましょう。

“戦後レジームからの脱却”を一般人にも分かりやすい言葉で言い換えるなら、

敗戦国としての責務はもう十分に果たしたので、ここらで終わりにしましょう。

です。
敗戦とはもちろん第二次世界大戦での事で、主に日米戦争(太平洋戦争)での敗戦の事です。
戦争に於いては戦勝国は敗戦国から領土だったり巨額の賠償金だったりを得る権利があります。日清戦争や日露戦争では日本がそれらを得た様にです。
つまり戦勝国には戦勝国の権利が、敗戦国には敗戦国の義務があるわけです。
当然、それらがなければ戦争する意味なんて無いですからね。

戦勝国の権利であり、敗戦国から見ると義務の1つが“武装解除”でしょう。(通常は講和条約が結ばれるまでの一定期間)
そして知っての通り、日本は1945年から武装解除しっぱなしですね。
その他にも敗戦国のマスコミや教育の管理なども、戦勝国の権利だったようです。
(因みにですが、皆さんは日教組を作ったのがGHQだって知っていましたか?)

他にも政治の世界や経済の世界には、まだ多くの日本にとって不利な決まりやシステムが存在しています。
日本の総理には今でも実質的にアメリカの承認がないとなれない事や、中央銀行や通貨発行権の話など、まあ興味がある方は調べてみてください。
また日本は世界から“スパイ天国”と言われているのに、未だにスパイ取締法が作れないのも、その中の1つでしょう。

これらは全て敗戦によって決まった事で、戦勝国の権益です。
国連には未だに敵国条項が残っていて、そこに日本とドイツが入っている事からもそれが続いている事が分かるでしょう。

戦後の日本は様々な形で戦勝国にお金を取られています。
例えば日本の国連分担金はずっと世界一の額だし(額面上はアメリカが一位だが、ずっと滞納していて実質払っていない)、ODAなんてGDPで日本を上回る中国にも未だに払っていますね。
これらは表面的に分かりやすいものなのでまだマシですが、例えば日本のバブルを崩壊させたのはアメリカのウォール街だったり、その他にも金融の世界では目に見えない形で日本の富が吸い取られるシステムが戦後に構築されたわけです。

歴史的に見れば戦争など世界中で数限りなく行われていますね。ですが今までは敗戦国が永久に戦勝国に従う事などなく、大体のケースではもう一度戦争をしてこれらをひっくり返してきました。
しかしながら当然、現代に於いてまた戦争をする選択など有り得ません。
ましてやアメリカを含む戦勝国を相手に日本が戦争をするなど、自殺行為でしょう。

ではこれからもずっと、永久に日本は敗戦国としての責務を果たし続けなければならないのでしょうか? 我々の世代だけでなく、子孫の代までずっとずっと……。

それに“否”と答えたのが安部氏だったのですよ。
そしてその決意こそが上記の“敗戦国としての責務はもう十分に果たしたので、ここらで終わりにしましょう”ということなのです。

更に簡単に言うなら、日本を“国際標準の普通の国”にしようという事です。
政府は戦勝国の傀儡政権でもなく、武装解除も終わりにし、メディアも教育も日本人が決められ、外国のスパイも排除する”フルスペックの普通の国”にしようというわけです。

戦後レジームからの脱却

これが安部氏の中核にあった政治的ポリシーであり、憲法9条の改正はその中の1つである“武装解除の終了”に過ぎません。

もちろん「いつまでも敗戦国の責務を負い続けたい」と考えるのも1つのポリシーです。
ポリシーに正誤はないのかもしれませんが、彼らは本当に中身を理解した上でそのポリシーを持っているのでしょうか?
我々の世代が子孫の世代から感謝される選択はどちらでしょうか?


以上、安倍元首相が思っていても立場上ズバリとは言えなかったであろう事を書いてみました。
これにて私からの弔電に代えさせて頂こうと思います。

そして最後に、安倍元首相のご冥福を祈ります。


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