日本が今すぐにやらなければならない事


この内容は緊急性が有るため、順番を先に持ってきました。

AI(人工知能)の世界に“ディープラーニング”という手法が発明されたことで、大きなブレークスルーが起きたことは前述のとおりです。
ですが今現在ではまだディープラーニングは本領を発揮してはいないと言えます。
難しい説明は省略しますが、ディープラーニングを有効に活用するためには、コンピューターに多くの学習時間(機械学習と呼ばれるものです)が必要で、そのためには高性能なコンピューターを使用しても膨大な時間がかかります
現在では、それがAIの性能向上のための一つのネックとなっているわけです。

しかしながら、ここに来てコンピューターのハードウェアの世界にも大きなブレークスルーが起きようとしています。
それが、“量子コンピューター”です。

1940年代中頃のコンピューターの誕生以来、その仕組は実は殆ど変わっていません。
真空管からトランジスタになり、現在のLSIによるマイクロプロセッサも実はやっていることは同様なのです。
しかしながら量子コンピューターは全くその仕組が異なります。量子コンピューターの仕組みは非常に難解なためここでは詳しい説明は省きますが、とにかく従来のコンピューターとは別次元の速さで計算をすることが可能となります。
それこそ現在のスーパーコンピューターで100億年掛かる計算が数秒で終わる、といったレベルなのです。

量子コンピューターがなぜそれほど高速に計算できるのかを問いだすと、量子力学の解釈問題のような哲学的な問題にまで踏み込むため、正確には良くわかっていません。中には複数の並行宇宙で同時に計算をして解を出しているからだ、などと言う人も居ますが、とにかく実際に高速に計算ができるのです。

ただし量子コンピューターには得意な計算と不得意な計算があります。そしてディープラーニングで使用する並列計算は、量子コンピューターが最も得意とするジャンルの一つなのです。

これらを総合して私が言おうとしていることは、一言で言うとこうです。

ディープラーニング + 量子コンピューター の組み合わせは”神”を生む可能性が有る。


まあ神という言葉は科学用語ではありませんが、人間から見たら“全知全能の存在”に見えるレベルの知能を生む可能性が有るのです。特定の宗教を信じていない人は、それを一般に神といったりしますよね?

ディープラーニングという手法に超高速コンピューターを組み合わせると、学習速度がとてつもなく速くなるため、極めて短時間で我々には理解できないレベルの世界に到達してしまうのですよ。
(きっと人間が1000年掛かって学習する内容を30秒でしてしまうとか、そういうレベルでしょう)

そんな事は恐らく、世界中の人工知能学者やコンピューターエンジニアの多くが判っていることだと思います。
なので実際に、いわゆるGAFA(Google, Amazon, Facebook, Apple)などの世界を支配しつつある企業が膨大なお金を掛けてAIの研究をしているのです。
膨大なお金の多くは人件費で、まだ1秒も働いたことのないAIの研究をしていた大学院生を、世界中から日本円で数十億円の年俸で雇う争奪戦をこれらの企業がしているほどです。
これらの大企業が人工知能の研究に投じている資金は、数兆円から10兆円にもなると言われています。
はっきり言ってこれから日本の企業が頑張ってどうにかなるレベルの話ではもう無いのですよ。

日本でも一部の大学や企業でAIの研究はしていますが、全く規模が異なるのです。
ただでさえ今の日本のAI技術は先頭から2~3周回遅れだと言われています。
それを今から巻き返すためには一企業ではなく国ぐるみで、そして資金は国家予算単位で、それこそ100兆円規模の額を国家予算から投じて研究するくらいの大胆な決断が必要なのです!
GAFAが年俸を数十億円出すのなら、こちらは数百億円出して世界中の人工知能研究者を集めて来るくらいの本気チャレンジが必須なのです。

でもその財源はどうするのかって? はっきり言いましょう。国債を刷れば良いのです。
え?赤字国債をこれ以上増やすことは子孫たちに莫大なツケを払わせることになるって? そう考える人が多いでしょう。
でもそれは違います。子孫の時代にツケを払うのは人ではなく、機械なのです。AIを搭載した機械なのです。
その時代の労働生産性は、今の時代の数百倍以上になっているでしょう。GDPもきっと桁違いになっているはずです。
AI搭載の機械はそれほど人間よりも生産性が高いのです。むしろあの時もっと国債を発行しておけば良かったと思うレベルになっていると思います。お金が何なのかを理解していれば、私の言っている意味がわかるはずです。
(100兆円も国債を刷ったら日本が破綻するなどと言う人もいましたが、コロナウィルス対策で100兆円以上刷っても破綻していませんよね?)


ちなみに私個人的には、あまりに優れたAIを開発することには反対、とは言わずとも慎重派です。
なぜなら、それが人々の幸福には繋がらないと考えるからです。(これについては、後に詳しく述べます)
なので、どこかのレベルでAIの発展は止めた方が良いと考えています。

それでは私の言っていることが矛盾しているって? そう言いつつ、なぜそれほど日本に大掛かりなAIの開発を勧めるのか?
答えは簡単です。もしも世界に日本しか存在しないのなら程よいところで止めても良いですが、もし日本がAIの開発を止めても必ずどこかの国が、或いはどこかの企業がAIの開発を勧めるからです。

そうなると日本は、と言うよりも全ての国がトップのAIを持つ国に支配される可能性が高いのです。
いいですか? トラやライオンがいくら強くても人間を支配することが出来ず、逆に動物園などに閉じ込められて支配されているのはなぜですか?
それは、単に人間の方が知能が高いからです。そもそも自分よりも知能の高い相手を支配することなど絶対に不可能なのですよ。
そしてそれは生物だけでなくAI同士でも同じです。

AIとディープラーニングの組み合わせで人間を超えた神の如き知能を持つAIが生まれると、そのAIの中でナンバーワンのAIが他のすべてのAIを潰すことも可能となるでしょう。
つまりAIに限っては言えば二位ではダメなのです。二位のAIは必ず一位のAIが滅ぼすことが可能なのです。
これは人間の次に知能が高いチンパンジーを、人間が簡単に絶滅させることが出来るのと同様です。
実際に滅ぼすかどうかを置いておいて、可能であることが大きいのですよ。
これは核兵器の話とよく似ています。実際に使用するかどうかは置いておいて、保有し、いつでも使用できることが大きいのです。

今後、世界一のAIを手に入れた国が世界中を支配することが可能となるでしょう。これは核兵器などより遥かに強力な武器なのです。核兵器は、所詮、ライオンの牙や爪のような物なのですから。

この様な時代が来たら、もはや日本が核武装する必要もありません。ただ世界一のAIを持った国がとんでもない横暴な国や独裁国家だったら、日本も大変なことになります。極端な話、植民地化もあり得るわけですから。

よって我々が独立、平和を保つためには、AIの分野で世界一にならなければならないのですよ。そうなって初めて、日本に色々な選択肢が出来るのです。
もしも世界一になったとしも、私は日本がその力を世界を悪い方向に支配するような使い方はしないと思っています。
なので日本こそが、世界一のAIを持つのに相応しいと考えています。

AIの研究開発は憲法にも非核三原則にも違反しません。明日からでも始められます。
更に社会的にもAIは労働者を大幅に補うため、少子化問題も高齢者増加問題も年金問題も全てを解決する可能性を秘めています。
つまり経済的にも、安全保障の面でも、もう真っ先に今、国をあげてやるべきことだと決まっているのです。
分かりきっているのにやらないのは愚行以外の何物でもありません。


余談ですが、90年代中盤から後半にシリコンバレーだけでなく、中国や台湾、韓国などが小学生からIT教育に力を入れていました。
これからはITが産業の中核になるとこれらの国が読んでいたからです。
若い人は信じられないかもしれませんが、当時は日本の経済力や工業力はアジアではブッチギリの一番だったし、世界一のアメリカを脅かすほどだったのですよ。(あのAppleがSONYに買収される話があったりもしたのです)

ですが日本は、IT教育に対しては極めて消極的でした。私は当時、IT教育のための教材を作って学校に販売していましたが、はっきり言って当時の教育現場は酷い状況でした。文科省も、教師らの頭の中も、授業の内容も第二次産業革命のままだったのです。

学校だけではありません。企業の中もIT化に乗り遅れてましたし、日本ではIT系のベンチャー起業も、、、まあこれ以上は言わなくてもわかるでしょう。
「こんなことをしていたらあっという間にアメリカだけでなく中国を始め、アジア諸国にも経済力で抜かれる」と私は言っていましたが、今の日本の体たらくがその結果を表しています。

今やるべきは明らかにAIと量子コンピューターです。分かりきっているのです。

今こそ皆で声を大にして世論を作り、文系だらけの政府や権力者に伝えていきましょう。
皆がやる気にさえなれば、日本にはまだその資金も能力も有るのですから。


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