VR解釈で量子力学を説明する その1


もしもVR解釈が正しいとしたら様々なことを導けたり面白い発想が出来ること、それこそ科学と宗教の上位互換の信仰になり得ることを先に示してきましたが、そもそもVR解釈自体が多くの人に受け入れられなければ意味がありません。
そしてVR解釈がもっともらしくなければ、きっとそれを前提とした先の項を読む気も起きないと思われます。

よって、今まで後回しにしていたVR解釈のテクニカルな部分の話もこれから少しずつ入れていこうと思います。

この“テクニカルな部分”を具体的に言うなら、VR解釈の物理的な部分や仕組みの部分についての考察です。そしてこれらが科学のルールに則った完全な証明にはならずとも、VR解釈に対して多くの人が納得するような論理的に矛盾のない説明にすることが目的です。

出来る限り優しい表現で書くつもりですが、人によってはやはり難解に感じることもあると思われます。特に今後は物理に加えてコンピューター系の用語が多く出てくると思いますので、コンピューターに明るくない方には少し難しいかも知れませんが、何となくでも良いので理解して読み進めてくださいね。


さて、今までに何度も書いてきたとおり「量子力学は使い方を知っていたとしても、それ自体を理解している人は居ない」とされています。
特に問題となるのが”二重スリット実験”や”シュレディンガーの猫”の様な(思考)実験や現象の解釈の仕方でした。
これらを何とか理解しようとして、”コペンハーゲン解釈”や”多世界解釈“が考えられましたね。

ではVR解釈を使ってこれらの不思議を説明することが出来るでしょうか?

まず始めに、、、VR解釈自体が”解釈”という言葉を使っているとおり一つの解釈です。
なのでそれを受け入れるとしたなら、二重スリット実験をはじめとした量子力学の不思議な現象は簡単に説明ができてしまいます。

量子力学の基本法則は波動方程式(シュレディンガー方程式)に集約されていると言えます。
これは難しいのでここには載せませんが、この方程式は複素数(虚数)を含むし、確かに何らかの波を表わしているのですが、それが一体何の波なのかは良く分かりません。
ただし波の振幅の二乗がそこで発見される確率を表わしているらしいなど、一部のことは分かっていましたね。

一般に波と言えば電磁波(光)にしても空気の波である音や、海の水の波にしても、何らかの物理的な現象を表わしていますね。では量子力学の波動方程式の波とは一体全体、何の波なのでしょうか?
もしその答えを知ることが出来たなら、何となくそれが真理に繋がっていそうな気がしますね。

では解説してみましょう。
VR解釈でこの波動方程式を説明すると、この波は物理的には何も表わしていません。つまり日常的な意味においては“何の波でもない”のです。

では波動方程式とは一体何なのでしょうか?
これは、

単なるマスタープログラムのコード

です。
マスターコンピューターはこの世界を実現するために、波動方程式と同等の機能を持つコードを使って計算しているだけなのですよ。

今までに二重スリット実験にて一つの量子、例えば電子や光子が二つのスリットを同時に通った事についての解釈がいくつも考えられてきましたね。
例えば二つのスリットを多世界で同時に通ったのだの、確率の波が通ったのだの、両方のスリットを通った現象が重ね合わさっているだの、まあ、色々な解釈があったわけです。

ですがVR解釈を使って説明をすると、

二重スリット実験では何もスリットを通っていません。

ええ、物理的には文字通りに何も。
物質であっても確率であっても、スリットを何かが通ったと考えるから話がおかしくなるのですよ。
ですが実際には何も通っていません。

マスターコンピューターは電子がスクリーンに到着する場所を決めるための計算の中で波動方程式を使い、そのパラメーターとして二重スリットの経路を考慮した計算を行うのです。
要するに二重スリット実験においては、マスターコンピューターによる量子の途中経路の物理シミュレーションは省略されているのですよ。

つまり、電子銃から電子が発射されてからスクリーンに到着するまでの間、その途中は一切計算されません。だって誰も見てないのですからそれで良いのです(笑)。
しかしながら、、、時々面倒くさい学者(笑)が二重スリットのどちらを通ったかが分かる様にスリットのすぐ近くで観測を行うと、マスターコンピューターは仕方なく途中の経路の計算(シミュレーション)を行うのです。
つまり電子は粒子として物理シミュレートされ、どちらか一方のスリットを通る事になります(その様に観測される)。

そして途中の観測結果と辻褄が合う様に電子はその後も波の性質を失って粒子として振る舞う(物理シミュレートされる)ようになり、結果としてスクリーンに到着する電子の位置も変わることになるわけです。(これは干渉縞にはならない)
何度も言いますが、この宇宙に於ける唯一確実なルールは”論理的に無矛盾なこと”ですから、粒子となった電子が干渉縞を描くことはありません。

VR解釈を使った二重スリット実験の解説は以上です。とてもシンプルな説明ですね。

同様に”シュレディンガーの猫”についても触れておきましょう。
”シュレディンガーの猫”の思考実験というのは漫画に登場するほど有名ですが、これは一言で言えば量子の世界の重ね合わせのような不思議な現象が、日常的なスケールに於いても影響を与える事を示す思考実験です。

この実験を簡潔に言うと以下の通りです。
放射性元素から出る放射線は量子力学に従うため、人間が観測するまでは放射線がいつ出るかは確定していません。ですがその先にセンサーを付けてセンサーが放射線を感知したら毒が入った瓶が割れて猫が死ぬ様な仕掛けを作ったとしたら、その装置の蓋を開けた時に猫が死んでいるのか生きているのかは判るとして、蓋を開ける前はどういう状態だったのか?
を考える思考実験です。

一つ初心者向けの解説動画を以下に紹介しておきますが、詳しい解説はYouTubeやネットに膨大に載っているので知りたい方は調べてみてくださいね。



続く……。

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