量子力学と真理


突然ですが、皆さんはもしも人類が存在していなくても地球や宇宙は存在していると思いますか?
「当たり前だろう」と言う声が聞こえてきそうですね。

では更にもう一つ。自分が死んだ後も、この世界は続くと思いますか?
同じく、当たり前だと考える人が殆どだと思います。

宇宙が存在しているからこそ、地球や人類が存在していると考える人が殆どだと思います。つまり宇宙(この世界)は人類の存在とは関係なく、客観的に存在していると。
因みにこの様な考え方を”二元論”と言ったりします。

しかしながら二十世紀以降の新しい物理学である量子力学は、そうは言っていません。
とても乱暴に言うなら量子力学は、「人間の意識が存在していなければ、この宇宙は存在しない」と言っているのです。
この宇宙というのはもちろん、我々が認知しうる地球や他の動植物などの万物を含みます。
簡単に言えば、観測する者が居なければ観測される物も存在しないといったイメージでしょうか。でもこれはレトリックに聞こえますか?
以前、物質が心を作っているのか、心が物質を作っているのか にも似たようなことを書きましたね。

余談ですが、仏教でも似たようなことを言っていたりします。

世の中にはカルチャーショックという言葉がありますね。
私にとっての人生を変えるほどのカルチャーショックとは、物理学に於いて量子力学を知った事だったかもしれません。
私が、物理学がこの世界と宇宙の真理に繋がっているのかもしれないと強く思ったきっかけは、量子力学との出会いでした。
時期で言うなら、18歳頃だったでしょうか。

しかしながら私がどう頑張っても、量子力学を一般の方に分かるように説明する事は不可能だという結論に至りました。なのでここでは詳しい量子力学の解説は省略します。私が目指す場所はあくまで信仰であり、皆が物理学を極める事ではありません。

量子力学についてはウェブやYouTube等で多く解説されていますが、それ以上に分かりやすい解説は私にも難しいです。大学の講義もはっきり言って、決して分かりやすいものではありませんでした。
本サイトを見てもし量子力学に興味が湧いた方がいたなら、勉強をしてみるのも面白いと思います。出来ればYouTubeやネットからではなく、市販されている入門的な書籍の方が体系的に書かれているのでそちらから学ぶことをお勧めします。

ここでは一つだけ、面白い量子力学の実験動画を紹介しておきましょう。

量子力学の神髄は二重スリット実験に凝縮されている。

そんな言葉があるほどに、この実験は有名であり不思議であり示唆的であり、世界で最も美しい実験の一つにも選ばれています。
なので軽くで良いので是非見てみてください。
完全に理解せずとも、「こんな事があるんだ」程度の理解で良いと思います。
他にももっと詳しい動画がありますが、短さとシンプルさでこちらを選んでみました。



たった一つの電子や光子等の量子(小さな粒子)が同時に二つのスリットを通り、それらが波のように干渉してスクリーンに縞模様を描く。
全くもって「???」ですよね?
一粒の粒子が一体どうやって同時に二つのスリットを通ったのでしょうか? いえ、それ以前に一体何と何が干渉したのでしょうか?

それを知るために干渉縞を描く時に量子がどっちのスリットを通ったのかを調べると、通ったスリットが判る代わりに干渉模様は消えるのです。

何だか気持ちが悪く、自然界に騙されているような気分になると思います(笑)。
その感性はきっと正しいものです。一流の物理学者らも同じように不思議に思ったのですからね。
理屈は判りませんが、それが”この宇宙の仕様”なのです。

結局苦し紛れに物理学者たちは、量子は観測されるまでは波であり、観測された途端に粒子になるといった解釈をすることにしました。これは”コペンハーゲン解釈”と呼ばれるものですが、他の解釈もあります。
因みに何故“コペンハーゲン理論”ではなく“解釈”というかというと、理論と呼べるような根拠も無ければ正誤を確かめる術もないからです。
これは、はっきり言って人間が「こう考えることにしましょう」といったレベルの適当な物であり、おおよそ物理学に則った考え方ではないからです。

しかしながら観測されるまでは波だといっても、その波が何の波なのかは良く分かりません。(なんせ波には複素数(虚数)が含まれるし)
良く分かりませんが、その波を表わす方程式は発見されています。そしてその波の振幅の二乗がその場所で量子が発見される確率を表わしているらしいことが数多くの実験によって分かってきました。

なので、上記のスリットを同時に通り抜けたのは“確率の波”であると言った論法もよく使われるようです。つまり電子自体はスリットを通り抜けておらず、確率の波だけが通り抜けたと。
二重スリット実験ではスクリーンに電子が衝突して発光しますが、スクリーンを取り除いてしまえば電子はずっと確率の波のままです。ええ、観測されなければ粒子である電子にはならないのです。
(余談ですが、量子コンピューターはこの波の状態のまま演算をすることで、高速演算が出来るとされています)

更に雑学的な話を少し書いておくと、この波の方程式は“シュレディンガー方程式”、或いは物理屋さんの世界では単に“波動方程式”と呼ばれる事が多いのですが、「量子は観測された途端にボワッと広がっていた確率の波が一点に収縮し、決まった場所で観測される」というのがコペンハーゲン解釈の説明です。
しかしながら数学的にシュレディンガー方程式の波が収縮することは絶対にないことが、既に証明されています。なのでこの解釈には数学的矛盾がありますね。
(因みに証明したのは現代のコンピューターの仕組みの生みの親にして、人類史上最高のIQを持ったと言われるフォン・ノイマンです)

そこで数学的な矛盾が無くなるように考えられた解釈が“多世界解釈”と呼ばれる物ですが、これは数学的には無矛盾であっても、無限に近い数のパラレルワールドの存在を認めるような更にぶっ飛んだ解釈です。いくら数学的に綺麗であっても、これについては正直に言って私は「正気か?」と思いましたが……。
仮に正しかったとしても、この解釈は“宇宙を理解することへの諦め”のように感じました。


さて、量子力学について説明すればするほど皆さんも訳が分からなくなったことでしょう。
これが量子力学が「何故そうなるかという理屈はほったらかして、その使い方だけが進歩した学問だ」などと言われている理由です。
実際に大学の講義で習うのも、量子力学の計算方法ばかりです。上記の様な「何故そうなるか」という議論を“量子力学の解釈問題“といったりするのですが、それについては少なくとも学部生のうちは物理学科でも習いません。
もし先生に質問をしても、きっと嫌な顔をされるだけでしょう(笑)。
ですがこれは先生に悪意があると言うよりは、正解が分からないものについては触れないことにしているらしいです。
ある意味、解釈問題は物理学の範疇ではないのですよ。

しかしながら私が興味があったのは計算式ではなく、まさにこの「何故そうなるのか」についてでした。
何故ならその答えが“この宇宙の真理”に繋がっているのではないかという直感があったからです。
そしてその直感は恐らく正しかったのだと思います。
(当然ながら私が真理だと考える解釈は、上記のどちらでもありません。オリジナルです)


量子力学を知った私は、この世界が今まで思っていたのとは全く異なる仕組みで出来ているのだと思いました。それはきっと昔の人が地球が丸い事を知ったり地動説が正しい事を知った時と同様に、本当にショッキングでした。

量子力学は”観測とは何なのか”、“知ること”とは何なのか、そして”心とは何なのか”といった概念を大きく変えてくれました。

何れにせよ、量子力学を知ることにより私は真理に一歩近づいたと思いました。


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