“イジメ”とは何なのか?


アンケートを下さった皆さん、ありがとうございました。まだまだ引き続き募集していますので、是非ご意見を下さいね。
 
さて、私の予想に反して現時点で頂いたアンケートの殆どが「社会や政治系の話を書いて欲しい」というご意見でした。
また私の個人的な話の希望など、今まで比較的避けてきた内容も意外と求められているようなので驚きました。
私は自分をさらけ出すことに対して一切抵抗がないので、そっちのお話も機会を見てちょいちょい書こうかと考えています。

ただし、あくまでメインテーマに一番の力を注いで欲しいというご意見も多かったので、メインテーマに主眼を置きつつ社会や政治系の話は箸休め的なペースで書いていく予定です。(もし評判が悪いようならこっちは止める予定です(笑))

さて、今回は社会問題の一つとして”イジメ”についての私なりの考察を書いてみましょう。

因みにですが、昨今の学校ではイジメが発覚するととんでもなく大変な手続きが存在するそうです。
速やかに職員会議を開いて話し合った後、教育委員会に報告をし、イジメた子とイジメられた子双方の保護者を呼んで……といった具合で、昔のように先生がイジメっ子を呼び出して叱って終わり、なんてことはないのですよ。

そして現在の小学校で起きている、いえ、現代の子ども達に起きている深刻な問題については、また何れ改めて詳しく書こうかと思います。
私はこの問題こそが大袈裟で無く、日本の最大にして本当の危機だと思っていますので……。
確かに未来や未来人のことも大切ですが、現代のことも放っておく訳にはいきませんからね。本当はこっちの件は他の誰かに任せたい気分ですが、残念ながら誰も立ち上がる気配はありません。
といっても、きっと殆どの人たちは起きている現実を知らないのでしょう(私も少し前まではそうでした)。
ですが知れば多くの人が驚き、変わり、そして行動を起こすはずです。
まあこの話については教員をしている私の友人の協力が必要なので、またいずれ。

さて、では“イジメ”の話に入りましょう。
“イジメ”というのは古今東西、老若男女を問わず、常に存在していますね。
ではなぜ人間はイジメを行うのでしょうか? 知識の無い子どもたちも行うからには恐らくこれはDNAに刻まれている本能に近いものだと推測されますね。
 
始めにイジメの定義が何なのかを私なりに表わすなら、以下の通りになります。

イジメとは、種族が生存するために不利な個体を排除するための行動である。

ここで一つ、私の学生時代の経験談をお話ししましょう。
私が大学3年生の時の物理学実験の担当教授のお話です。その教授は小児麻痺を患っている方でした。皆さんは驚くかもしれませんが、物理学科の教授には小児麻痺の人が多く居ました。そしてその数は明らかに普通に社会で見かける割合よりも多いと言えるでしょう。
これは不思議なことでしょうか?
 
ある日、物理学実験の担当教授は、講義中に突然手を止めて学生の方を向いてこんな話を始めました。
 
「僕が小学生の時には、いつも体の事でイジメられてね。だからいつも考えてたんだ。どうしたらイジメられないようになるかって。で、僕にはケンカやスポーツは無理だから思いっきり勉強をすることにしたんだ。本当に死ぬ気で勉強したよ。そうしたら徐々に成績が良くなっていって、ついに学年でトップになったんだ」

とても興味深そうに耳を傾ける学生達を見ながら、教授は続けました。

「不思議だねえ。そうしたらピタリとイジメが無くなったんだよ」

そう言って教授は可愛い笑みを浮かべて学生たちを見ると、それについて何の考察も述べることなく講義を続けました。ええ、何が言いたいのかは自分で考えろと言わんばかりに。
 
小学校でもリーダーシップがある子、スポーツが出来る子、ケンカが強い子、話が面白い子などがイジメられることはまず無いはずです。逆に彼らは人気者でしょう。
イジメられる子はそれとは逆の子であることが多いはずです。太っていたり気が弱かったり、運動が苦手だったり話すのが苦手だったり不器用で皆の輪を乱す子だったり。
 
恐らく人間のDNAというのは10万年前からそれ程変化していません。
そして大昔の石器時代や、そこまで行かなくても農耕を始めたばかりの時代には皆が食料にありついて生きるのびることは当たり前ではありませんでした。
いえ、むしろ日本人が飢餓を克服したのはほんの最近の話なのですよ。
よって昔は残念ながら老人や病人などの弱者は見殺しにされていました。“姥捨て山“については都市伝説だった可能性が高いそうですが、似たようなことはあったのかもしれません。
 
ましてや、狩猟で生計を立てていた原始時代には足を引っ張る人が居るとそれこそ集団の生死に関わります。集団で狩猟をするためには強力なリーダーシップを持つ者や作戦を考える高い知力を持つ者、そして体力や身体が強い者が求められるでしょう。
そしてこれは戦争についても同様です。

人類はネアンデルタール人と共存していた時代から戦争をしていたとされています。
よって狩りにしても戦争にしても強い集団を作るために、足を引っ張る人を排除した種族が結果的に生き残ったのでしょう。
そしてその生き残った人類の子孫こそが我々現代を生きる者たちなのです。
つまり昔の弱者(輪を乱したり、足を引っ張る人)を排除しようとした名残がイジメを行う人間の本能だと私は考えています。
これはダーウィンの自然淘汰っぽい説明ですが、まあ筋は通っているでしょう。

さて、もう一度物理学科の教授の話に戻しましょう。
当時の私は教授の話を聞いてとても興味深いと思いました。
それはどうして教授が死ぬ気で勉強したのかについてではありません。それは私には良く理解できました。私が興味深かったのは、何故イジメっ子たちが教授の成績が上がった途端にイジメを止めたのかについてでした。

学年で一番勉強が出来るようになった教授は、きっと種族の生存のために有益な存在になったのだと思います。なので誰も教授をイジメようなどとは思わなくなったのでしょう。
ええ、本能だけで行動する子どもたちがです!!

教授は何も言いませんでしたが、きっとその時の猛勉強が現在の物理学者という地位に繋がっているのだと私は推察しました。そう考えると、物理学科の教授に小児麻痺の人が多いことも合点がいきます。
よって誤解を恐れずに言うのなら、イジメというのは「頑張って何かで一流になれ」というサインと捉えることも出来るかもしれませんね。
 
さて、男子のイジメが自分と自分の集団が生き残る確率を上げるための手段であり、そのために劣った者がイジメられると説明できるのに対し、女子の世界のイジメはもう少し事情が複雑です。
女子の世界では知っての通り、優れた女性がイジメられることがしばしばあります。
容姿が優れていたり、男性にモテる女性が嫉妬されてイジメられることが良くありますね。
これについては、自分と自分の集団の生存確率を上げるため言うよりは、子孫までを考慮する必要があるでしょう。

女子は狩猟と戦争は男子に任せるとして、生存能力が高い優秀な自分の子孫を残すためには優秀な男子をものにしなければならず、そのためにはライバルを蹴落とす必要があります。
よって女子は嫉妬心が男子より強いのだと私は考察しています。まあ、女性の世界の話は始めると長くなるので今回はこの辺にしておきましょう(笑)。
 
何れにせよ、イジメはまだ社会に余裕が無かった時代の名残なので、テクノロジーの進歩のおかげで誰もが食べられる現代に於いては本来なら無用の長物なのです。
なので無くした方が良いと思いますが、知っての通りそう簡単に無くなる物ではありません。
よって私から一つ言えるとしたら、イジメから逃れるためには

何かを頑張って一流になること

です。
そうすればたちまちイジメっ子達のDNAに刻まれている“イジメスイッチ”がオフになることでしょう。
上記の教授の例のように。

ええ、分かっています。私は別に綺麗事や理想論を言うつもりはありません。
もちろん全ての人が一流になれるわけではないし、もっと言うならそのための努力すら出来ない人が多く居る事も私は知っています。
それを知った上でもなお、これが一つの逃れる方法であることもまた真なので、知らないよりは知っていた方が良いでしょう。

因みに女子については、、、もし要望があったらまた改めて書きましょう。
(というか、本サイトに女子の読者はいるんでしょうか?(笑))
 

今回の内容はあくまで私の個人的な考察なので、鵜呑みせずに皆さんも自分で考えてみてくださいね。
 
さて、本ページを読んだ皆さんがどう感じたかは分かりませんが、退屈なダーウィンの論法を使った解釈は以上の通りです。
ですが社会系のジャンルとはいえ、本サイトに書くからにはオリジナルの新しい解釈も書いておきましょう。

結局小児麻痺の教授達にとって、イジメというのは結果的に彼らの道しるべとなり運命を決める大きな要素になりました。
これを私流の言い方にすれば、教授達に自分の“役”を示唆していたのです。これは 好きなことを仕事にするべきか、得意なことを仕事にするべきか に書いた”道”とも同意でしょう。

もしも教授が「その時は辛かったけど子どもの頃にイジメにあったことで、若いうちに自分の道を見つけられた僕はラッキーだった」と言っていたら皆さんならどう思いますか?

決してイジメを肯定するわけではありませんが、実際にそういうこともある、というのもまた真なのですよ。
そしてこれが私が思う新しい解釈です。

さて、皆さんが腹落ちするのはダーウィンの解釈と、私の解釈のどちらですか?


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