日本の科学技術者はバカになったのか？　 後編

続きです。

世界を代表するGAFAやその他の有名IT企業が創業したのは、大体2000年頃でした。（アップルを除く）
日本もその頃はITバブルと言われていましたね。
実際に日本にもその後に世界を変えるようなITの芽は出ていました。

例えば現在の仮想通貨に使われている技術の原型を作ったとも言われている、Winnyの作者の金子勇さん。
日本でいち早く、テレビとネットの融合を考えていたホリエモンこと、堀江貴文さん。
その他、和製SNSとして大ヒットしていたmixi。

しかしながら、日本社会の反応はカリフォルニアのシリコンバレーとは異なりました。
金子さんはWinnyを作った罪でいきなり逮捕されました。容疑は違法コピーを助長したとの罪でした。その後長い裁判で無罪を勝ち取るも、2013年に病気で死去されました。
もしも彼が生きていたら、ビットコインは日本から生まれていたかもしれませんね。

堀江さんはいち早くネットの動画配信の可能性に着目し、コンテンツを作れるテレビ局を買収し、あの時代に既にネットとテレビの融合を考えていたそうです。
今で言うところの、Youtube、HuluやNetflix、AmzonPrime（何れもアメリカの企業）のような事を2000年頃には既に考えていたのです。
彼はその頃に既に起業家として成功していて、そのための技術も資本力もありました。
しかしながら彼もまた、良く分からない容疑でいきなり逮捕されます。そして初犯なのにも関わらず、執行猶予もつかずにいきなり刑務所に直行です。
彼は後にフジテレビを買収しようとしたことを「虎の尾を踏んだ」と言っています。

もし堀江氏があのままテレビ局を買収して逮捕もされていなければ、YoutubeやNetflixは日本から生まれていたかもしれません。
当時、堀江氏はIT起業家の成功例として、最も象徴的な存在でした。その彼が良く分からない容疑でいきなり逮捕され懲役刑を受けたことは、彼のような起業家を夢見ていた若い起業家の卵たちの心理に大きな影響を与えました。
「この国では成功しすぎると潰されるのだ」と。
（蛇足ですが2000頃には私もIT系のベンチャー企業活動をしていましたが、シリコンバレーとは違いすぎることを肌感覚で感じました。多くの企業がプレゼンをする機会をくれましたが、どこもはなから投資などする気はなく、アイディアを盗まれるだけでした）

個人ではなく企業の話をすれば、和製SNSのmixiも多くの会員を誇って大ヒットしていました。ですが突然「男女の不適切な出会いに利用できる」として国から厳しい規制がされてしまい、ユーザーがガクッと減りました。
そして多くの、いえ、殆どのmixiユーザーがmixiの代わりに無規制で利用できるFacebookやツイッターに乗り換えたのです。

このように日本の企業や個人がITの世界にイノベーションを起こしかけると、突然国から規制されたり逮捕されたりしますが、同じ内容であってもアメリカの企業ならばフリーパスなわけです。
他にもApple社はiTunesで日本だけでなく世界中のCDショップを潰しましたが、もしも日本の企業が同じ事をやっていたらどうなっていたと思いますか？
この手の話は、ITの世界では本当に枚挙に暇がないのです。

それで「何故日本からはGAFAが出てこないのだ？」と技術者を責めてあげてもねぇ……。

また現在進行形でIT業界以外の話をするならば、自動運転車やドローン。
これも日本では規制が多くてなかなか開発や実用化が出来ません。技術的には容易ですが、とにかく規制が多くて開発も販売もなかなか出来ないいのです。
中国では既に人が乗れるドローンが売られていて空を飛んでいますが、もし私がそんな物を買ってその辺の空を飛んだら、これまた一発で警察に捕まるでしょう。

また自動車メーカーの自動運転のテストも、とにかく規制が多くて公道ではなかなか出来ないのですよ。なのでトヨタは私有地に”ウームシティー”なる都市を作って、道交法が適用されないその中で自動運転車の試験をすることにしたそうですが、これも苦肉の策でしょう。
アメリカや中国などでは自動運転車は既にそこら中を走っているのに、です。
これではアメリカよりも開発が遅れるのも当然でしょう。
他にもこの手の話は、本当に枚挙に暇がないのですよ。

こんなことで才能ある科学技術者がどうやって力を発揮できますか？

いくら日本の科学技術者が優秀であっても、これだけ非理科系の人たちが足を引っ張れば、それは経済もこうなるわけです。

そして上記の様な考察した上で私がいつも疑問に思うことは、「一体誰が日本の発展の邪魔をしているのか？」です。
それが良く分からないのですよ。
と、私もメインテーマと関係ないところで虎の尾を踏みたくないのでぼかしておきましょう（笑）。

私のやりたいこととは異なるためこの話題は今回で最後にしますが、志ある人が後を引き継いで解決してくれる事を祈っています。


さて、皆さんはどう思いますか？
カリフォルニアやアジアの企業にシェアを奪われているのは、それでもやっぱり日本の科学技術者の劣化が原因だと思いますか？
良ければ皆さんのご意見をお聞かせください。
 

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