シミュレーション仮説について


世間一般で言うところの「シミュレーション仮説」、私の言葉で言うなら「VR仮説」や「VR解釈」でしょうか。
(正確には「シミュレーション仮説」と「VR仮説」は異なるのですが、その件については今回は置いておきましょう)

これらはこの宇宙がコンピューターによって作られているという考え方ですが、最近、YouTubeなどを見ているとこの考え方が予想外に多くの人に受け入れられていることに驚きます。

例えば脳科学者の茂木健一郎氏なんかもシミュレーション仮説の話をしていました。
また本サイトのパクリ動画のコメント欄を見ても、驚くことに多くの人がVR仮説に納得している様に見えます。

VR仮説はメタフェイスのコアとなる考えなので、これが多くの人に受け入れられている事は嬉しいのですが、正直に言って

「受け入れられ過ぎている感」

が否めません。
この現象にはもしかしたら本サイトや本サイトのパクリ動画が多少の影響を与えているのかも知れませんが、私は正直に言ってあまりに容易に受け入れられていることに違和感を覚えています。

だってこの考え方って、そんなに簡単に受け入れられるものなのでしょうか??

少なくとも私は受け入れるのに長い時間が掛かりました。
今までに書いて来たとおり私は高校時代から「ガモフ全集」や「ファインマン物理学」の様な科学系の書籍を多く読み、相対性理論を学び、量子力学を学び、人間原理を学び、大学時代には数値計算を学んでさんざんプログラミングをし、カオス理論を学び、フラクタル理論を学び、3DCGを学び、FPSゲームを多くやり、大学の研究室で素粒子宇宙物理学を研究し、仏教から学び、そしてこれらから得たことや学んだことを叩き台にしてさんざん考え、大人になってようやく至った結論がVR仮説なのです。
言うなれば私は、長い年月をかけて体感的にこの仮説に至った事になるでしょう。

それを僅か20分程度のYouTube動画を見ただけで、基礎知識のない普通の人がVR仮説を受け入れられるものでしょうか?

もしも皆さんが既存のYouTube動画を見ただけで私と同程度の体感でVR仮説が腑に落ちるのならば、きっと私がやるべき事の半分は既に終わったことになるでしょう。
ですが私にはそうは思えないのですよ。

例えばアインシュタインが相対性理論を発表した当時、相対性理論を理解していたのは世界に二人しか居ないと言われていました。時間が延びたり空間が歪んだりなどという発想は、一般人にはもちろん、物理学者でさえなかなか受け入れられなかったのです。
量子力学についても同様です。量子力学については今までに書いて来たとおり、現代でさえ本当に理解している人など居ないと言われていますね。
更に昔の話ならば地動説だってそうだったでしょう。これらは正しかったとしても一般に受け入れられるまでには長い年月が掛かっています。

実際にこの世界と宇宙の真理には、この考え方を聞いてすぐに「なるほど、わかった」などと言う人が居たら、私はその人の事を「嘘つき」と呼ぶだろうと書いていますね。

過去にもシュレディンガーの様な一流の物理学者でさえ、こんな考えは受け入れられなかったと書いて来ました。そして晩年のアインシュタインもそうだったのではないかと私は推測しています。

もちろん全ての人が学者のレベルで理解する必要などありません。ですがその理解があまりの浅いと、先に進む際に何らかの障害が発生する気がするのですよ。例えばおかしな理屈を言う人に騙されたり……。引き寄せの法則なんて、その最たるものでしょう。
(引き寄せの法則自体が存在しないと言っているわけではありませんよ。ただその説明には物理の言葉を多く使っていますが、内容は全く科学的ではありません)

特にYouTube動画を見ていて多いのが、量子力学的な現象を始めとした様々な実験や法則を「この世界がVR(シミュレーション)であることの証拠だ」と言っているものです。
証拠とは、つまりエビデンスですね。

ここでハッキリ言っておきますが、

この宇宙がコンピューターシミュレーションである科学的な証拠などは一切見つかっていません。

証拠ではなく「根拠」という表現をしている動画もありますが、根拠と言えるレベルものもまだ見つかっていないと考えるべきです。
現時点でシミュレーション仮説は単なる「アイディアの一つ」に過ぎません。
もしそれを証明するとしたら、これからなのです。

これらのYouTube動画は中途半端に量子力学など物理の話を用いているので一般人が誤解する可能性があるのではないかと危惧しています。
実際に物理学者の中でシミュレーション仮説を信じている人は居たとしても、ごく少数だと思われます。そっち系の論文だって殆ど出ていないでしょう。

なのでこれらのYouTube動画などを見た人が、中途半端にシミュレーション仮説を理解した気分になってしまうことを私は恐れています。
そもそもシミュレーション仮説を受け入れると、連鎖的に何を受け入れることがマストになるのかが分かっているのでしょうか?

VR仮説の証明については、これから長い道のりが始まると解釈するべきです。
また今までに書いて来たとおりVR仮説は仮に正しかったとしても、この宇宙の内部に居る我々には原理的に証明出来ない仕組みになっているかも知れません。
と言うより、恐らく私は科学の手順に則った厳密な証明は不可能だと予想しています。

その理由についてはまた改めて述べましょう。

さて、皆さんはシミュレーション仮説についてどう考えていますか?
今後の参考にさせて頂きたいので、宜しければ皆さんのシミュレーション仮説に対する考えを教えてください


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