この世界は数学で出来ている(後編)


ではそろそろ私の考える真理に近づいていきましょう。
この世界は全て数学で出来ていると言いましたね。例えば目に映る景色一つとっても、数学による計算、例えばレイトレーシング法だったりフラクタル理論などの数学で完全に再現できることは先述の通りです。

そして物理学の殆どは解けないに書いたように、自然界の殆どの現象は非線形問題や多体問題等であり解析解なんて存在しません。
よってもし宇宙が数学で出来ていたとしても、その数式を解くことなんて不可能でした。

ここでまた一つ、アインシュタインの言葉を紹介しておきましょう。

「神は数学的困難など気にしない。彼は積分を現実に行っているのだから」

非理科系の人のために書いておくと、物理法則の殆どは(偏)微分方程式で表わされ、それを解く行為こそが”積分””です。
しかしながら上記の通り、殆どのケースでは微分方程式は積分不可能で解析解(一般解)を持ちません。

よってアインシュタインの言う”積分”とは数値積分のことであり、これは数値解法の一つです。
つまり意訳するとアインシュタインは、

「神は微分方程式を数値解法で解いている」

と言っているわけです。

少し余談ですが、このアインシュタインの言葉はまるで天啓の様に私の頭の中に響き渡りました。そして私の頭には、今までうっすらとしか見えていなかったこの宇宙の仕組みについての、明確なイメージが浮かんだ事を覚えています。
そしてこの言葉は私が最終的な答え(真理)に行きつくための、文字通りインスピレーションになりました。

なので私はこう思うわけです。
「量子力学を否定しつつも、本当はアインシュタインもうすうす真理に気づいていたのではないか?」
と。

話を戻しましょう。また この宇宙は連続的ではなく離散的 に書いたように、この宇宙はアナログではなくデジタルで出来ていると言いましたね。実際に長さや時間には最小の単位がありました。無限に小さい物も無限に短い時間もこの宇宙には存在しません。

更にはこの宇宙に存在するあらゆる物は、超弦と呼ばれるとても小さい“ひも”から出来ているという説が現代の物理学では有力だと言いましたね。
つまり光を含めたあらゆる物質は、見ることも触れることも出来ない10次元以上の極小の“ひも”から出来ているのです。

でも”ひも”の長さが最小の長さであるプランク長以下であることから、これは原理的に観測することが出来ないので、その”ひも”はこれまでもこれからも数式上でのみ存在することになります。
これを別の言い方にすれば、全ての物質は数式という形の”情報”から出来ているとも言えるでしょう。
つまり、

あらゆる物質は、実は単なる情報である。

実際にホイーラーは、この宇宙の全ては情報で出来ていると言っていましたね。

この“情報”をプログラマーの私流に言うなら、“機能”“データ”です(とても重要)。

さて、これらの量子力学以降の新しい物理学は、一体何を示唆しているのでしょうか??
上記の事は我々に対し、明らかに何かを示唆しているとは思いませんか?

もしこの宇宙の法則が全て数学で作られているなら、その数学を実現するための何らかのシステムが存在しているはずです。
ええ、数学を処理する仕組みです。又はアインシュタイン流に言うなら、実際に数値積分を行う仕組みでしょうか。

更には、
宇宙はなぜ膨張しているのか? 光速はなぜ有限の速さなのか?
なぜ宇宙には始まりがあり、無限の過去から存在していないのか?
ブラックホールなんて物がなぜ存在しているのか?
なぜ無限に小さい時間や長さは存在しないのか?

これらの観測結果に基づく疑問もまた、何かを示唆していると思いませんか?
もしあなたがこれらの疑問に答えるとしたら、またこの宇宙の仕組みについて論理的に辻褄が合う様に答えるとしたなら、どんな説明を考えますか?

(因みにですがアンケートを頂いた方の中には、今までの布石から既に私と同様の答えに至った人もいらっしゃるようですよ。その他の方々のアンケートもお待ちしています)


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