受験に失敗した人へ。


本サイトの読者には若い方が多く居るようなので、今回は受験生向けの内容を書いてみようと思います。

今は受験シーズンですね。そろそろ合格発表も一通り終わって、進学する学校が決まる時期でしょうか。
志望する学校に入れた方はおめでとうございます。まあ上手く行った人に対しては特にアドバイスをする必要はないと思われるので、今回は希望する学校に入れなかった人向けの内容となります。


これからの時代はどの学校に行くかよりも何を学ぶかの方がはるかに重要だと思いますが、現代に於いても旧世代の名残がまだ残っていますよね。なので良い学校や名門の学校に行きたい気持ちは良くわかります。
恐らく日本に生まれた子どもが始めにぶち当たる試練や挫折が受験ではないでしょうか?

ですが受験なんてものは色々な運もあるし、なかなか思うように行かないものです。
かくいう私もそうでした。私はきっとこれを読んでいる誰よりも受験では失敗していると思われます。
なのでそんな経験者からのアドバイスだと思ってくださいね。

まず高校受験に失敗したケースですが、これは全く気にする必要はありません。普通科ならば高校で習うことはどこでも同じだし、そもそも社会に出てから尋ねられるのは最終学歴だけです。なので大学で挽回すれば万事解決だし、そもそも良い高校に行っても大学受験で失敗したら意味がありません。
高卒で就職する人は多少は卒業する高校に意味があるかも知れませんが、ハッキリ言って社会から見れば高卒はどの学校であっても大して扱いは変わらないと思っておいてください。

よってその時は落ち込むと思いますが、高校受験の失敗は大して深刻な問題にはならないのでこの辺にしておきましょう。
因みに「ある日。」にも軽く書いたように、私は高校受験時には中学の先生と内申書の件や志望校の件などでたいそう揉めましたが、結局発病したことなどもあって担任の勧めた第二志望を受けて普通に受かりました。よってこれといって面白い話はありません。


さて、次に大学受験についてです。
さすがに現在は昔と比べて大学受験の熱も下がり気味のようですが、それでもまだ大学受験は人生の方向を決めると考えている人も多いでしょう。
そして公務員や大企業のサラリーマンになりたい人にとっては、それはある程度正しいのかも知れません。
ですが現時点で18歳の人が定年を迎える65歳(その頃はもっと延びている思いますが)になるのは47年後ですね。社会の中枢になる40代になるのも22年後以降です。
そんな未来の社会が現在と大差ないと思いますか?

確かに22年前と現在とでは、それ程大きくは変わっていないと思う人も居るでしょう。
ですが今までに何度も書いてきたとおり、コンピューターの進歩は指数関数的なのです。
ChatGPTなどこの数年のAIの進歩だけを見ても、20年後に果たしてどんな社会になっているのかなど、誰にも想像が出来ません。
それこそ「満腹パイ」の時代になっている可能性だって大いにあるでしょう。

「では大学はどうでも良く、何も学ぶ必要がないのか?」と思った人も居るかも知れませんが、逆です。
どんなに遅くとも20年後には大学のネームバリューなどは関係なく、純粋にその人が「どんな能力を持っているのか」だけが問われる社会になっていると思います。
また「知識を持つだけの人」の価値が相対的に下がるはずです。言うまでもなく知識はググるか、ChatGPTの様なAIに尋ねた方が速くて正確だからです。

よってこれからは大学でマスターするべきスキルは思考力です。それもどのジャンルに於いても役に立つような、つぶしがきく、万物の根底に共通している思考力なのです。
創造力もそこから生まれます。

大学入学は勉強のゴールなどではなく「完全なるスタート」です。これは言葉の綾などではなく、本当にそうなのですよ。
ええ、わかります。子どもの頃から大学受験までひたすら勉強をしてきてやっと大学に入ったのに、また勉強しろってか? と思う人も居ることでしょう。
ですが大学に入ってからの勉強は今までの受験のためや、試験のための勉強とは異なります。
だってあなたは学びたい学問をやっている学科に入ったわけですよね?
勉強に対してネガティブなイメージがあるのは、子どもの頃からずっと人に順位をつけたり振り落としたりするための、試験のための勉強をしてきたからに過ぎません。

大学ではもはや受験のための勉強をする必要はありません。これまで長くキツかったですが、ようやくそれは終わったのですよ。

これから学ぶ学問というのは、純粋にあなたの興味によるモチベーションで行うものです。
私もそうでした。

何故か日本では、多くの学生が大学に入ってからはあまり成長しません。
ですが18歳から20代前半という時期は、脳は大人の脳に成長していて、且つ固まっておらず、何でも吸収出来る柔らかさを持っている唯一無二の時期です。
その4年間の間に何かをやれば、あっという間に極めることが出来るでしょう。

因みに私の経験では、大学を卒業する時期に殆どの同級生が18歳からほぼ成長していないことに驚きました。これはきっと現在でも変わらないのでは?
日本では周りが勝手に停滞してくれているので、自分が今まで通りに普通に成長すれば4年間というのはサクッと追い抜いて突き放すのに十分な期間です。
ウサギは寝ている間に亀が追い抜いて行ったことにすら、きっと気づかないでしょう。

もしあなたが行くことになった大学が私と同じように三流大学や、それ以下の大学だった場合には少しばかり注意することがあります。
学生の中には卑屈になって「どうせ俺たちなんか」の様な考え方をして、毎日酒を飲んだりパチンコやその他のギャンブルばかりをする人が多く居ると思います。残念ながら彼らは「大学時代に頑張って一流大学の奴らを見返してやろう」などとは考えもしません。
そんな時は出来るだけ彼らとは関わらないことです。
負のモチベーションを持つ仲間と居ることは、一人で居ることよりもずっとマイナスになりますからね。

今はネットが有るので、物理的に近くに居る同級生といつも一緒に居る必要など有りません。周りのノイズは無視して、自分のやりたいことをひたすら学びましょう。
どこの大学に所属しているかよりも、4年もの間、好きなことを学ぶだけの生活を社会的に許されている身分であることの方がずっと意味があるのですよ。

今回書いたことは単なる気休めやキレイ事ではなく、私が実践したことです。
ならばきっとあなたにだって出来るはずです。

大学時代の過ごし方で、将来の90%程度は決まるというのが私の肌感覚です。
これからの社会はAIによって従来とは変わるでしょうが、大学時代の過ごし方の重要さについてはあまり変わらないでしょう。

そして「真の学び」を行う上で日本は決して悪い国ではありません。
例えば学外の学生であっても、大学の先生は本気で学ぼうとする学生が好きなものです。なので他大学の研究室に見学に行くのも良い方法です。(私はやっていました)

それではあなたが今までの試験のための勉強ではなく、「真の学び」に目覚めることを願っています。


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